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アルコールで「脳が溶ける」ことは、ちゃんと伝えられていない

「シンナーをやってはいけない」ということの説得材料として、よく持ち出されていたのが、シンナーによる脳の萎縮です。「脳が溶ける」と言いますよね。

それは、下の写真みたいな感じでしょうか。これはシンナーではありません・・・アルコールによって認知症となった脳です。



(↑クリックで拡大)

この写真が載っている『精神の脳科学』(東京大学出版会)から、「アルコールの生理作用と問題点」という項目を引用します。(読みやすいように段落を分けました)


アルコール飲料は古くより世界中で親しまれている。アルコール飲料が好まれる理由は、これらにエタノール(エチルアルコール)が含まれることによる。

エタノールは、体温や心拍などに影響するほか、運動量の亢進、鎮静作用、鎮痛作用、催眠作用など、幅広い生理作用をもつ。

導眠やストレス解消、コミュニケーションの促進など、アルコールにはメリットも多いが、エタノールの報酬効果は依存を生む。

日本のアルコール依存患者は80万人とも200万人ともいわれており、深刻である。

アルコールによってビタミンB1が欠乏して、ウェルニケ脳症が起こると意識障害や記憶障害が現れる。これが慢性化するとコルサコフ症候群となり、断酒しても回復は限定的となる。さらに長年の過度の飲酒は脳の広い領域で変性を引き起こし、アルコール性認知症となる(図4.17)。

その他、アルコール依存は、肝機能障害など、さまざまな身体疾患を併発しやすい。

 

 

恐怖訴求をしたいわけではありません。長期のアルコール摂取の影響もきちんと伝わっていませんが、アルコールは、脳(つまり思考など)に強い影響を与える物質であることを知って欲しいのです。

周りの人間にとっては、理にかなっていない、あるいは腑に落ちない自殺が多いのは、自殺には理にかなっていない衝動によるものが、かなり含まれているからではないでしょうか。

その訳のわからない衝動の何割かは、アルコールによる脳の暴走ではないだろうかと予想しています。

逆に言えば、アルコールによる脳の暴走の危険性を、本人あるいは周りの人間が少しでも知っていれば、防げた自殺もあるのではないでしょうか

その一瞬を乗り切れば、以後ずっと生きていられた人たちの・・・

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